コウモリ駆除を業者に頼むとどれくらいの費用が必要? 状況や範囲別に費用相場を解説!
はじめに:コウモリは人間生活に悪影響を及ぼす害獣! お金をかけてでも駆除が必要な理由とは?
暗く光の届きにくい場所にぶらさがり、日が沈むころに活動を始めるコウモリはどちらかというと不気味なイメージのある動物ではないでしょうか。
地域的な伝承ではコウモリを縁起のいい動物としたり、蚊などの害虫を捕食することから益獣の一種と捉えたりすることもあります。
しかしコウモリはその体にノミやダニといった寄生生物がいることから、さまざまな病原菌の温床となっています。しかも群れが出す大量の排泄物は建物に変色や腐食といったダメージを与えることがあり、パサついた糞にはカビ菌が含まれていることからホコリとなって舞いがったものを吸い込むと危険です。
さらに食餌のために飛び回る際や活動時に出す鳴き声・羽音が騒音の害となり、精神的に消耗するなどコウモリは人間の生活に悪影響を与える害獣として位置付けられています。
日本において都市部や住宅街などの人間の生活空間に棲息するコウモリは、ほぼ「アブラコウモリ」という種類です。これは体長約5㎝、翼長約18~24㎝の小型コウモリで、成獣は灰色がかった茶色い体毛で昆虫を主食としているタイプです。
コウモリは上記のようにさまざまな悪影響を及ぼすことから、もしも住宅の屋根裏や軒下などに営巣した場合、速やかに駆除する必要があります。
ただしコウモリの駆除は野生動物を保護する法律の定めに基づき非殺傷性の方法によって実施する必要があり、専門業者に依頼するという選択肢も一般的です。
本記事ではコウモリ駆除を業者に依頼した場合を想定し、実施の状況や範囲によって費用相場はどの程度となるかについて解説します。
※以下、本記事ではアブラコウモリを単に「コウモリ」と表記します。
コウモリ駆除にかかる費用の相場は?
コウモリ駆除作業については、まずは住処からコウモリを追い出して清掃・洗浄し、再び戻ってこないように侵入口を塞ぐといったことが基本的な流れとなります。
しかし家屋の構造や状態、作業環境や実施する範囲によってその費用には大きな差が生じます。
以下、コウモリ駆除にかかる作業負担の程度をメインに、シチュエーションごとの費用相場を見てみましょう。
あくまでも費用の例であり、実際の金額は業者やその時の状況によって変動するため、参考としてご覧ください。
一か所あたりの費用相場
例えば通排気口周りなど、限定的な一か所を駆除対象として想定した場合は概ね1~5万円程度が費用相場で、2~3万円がボリュームゾーンと考えられます。
コウモリは屋根裏だけではなく軒下や換気扇の内側、雨戸の戸袋の中やエアコン室外機と壁の隙間等々、実にさまざまな場所に営巣します。
外部からの調査が容易で、なおかつコウモリの追い出しと清掃・洗浄にも最低限のリソースで対応できる箇所であれば、その分の人件費や技術料も低く抑えられるでしょう。
ただし業者が遠方からくる場合には出張費や事前の調査費など、追加で必要となる費用が発生する可能性には注意が必要です。
高所作業車が必要な場合の費用相場
一般的な住宅におけるコウモリ駆除では、屋根裏や二階以上の軒下、あるいは高い場所に設置された室外機の裏など、高所作業車を投入しての作業が必要な場合があります。
こうしたケースでは10~40万円程度が費用相場で、専用車をはじめとした特殊な機材に加え高所作業に対する危険手当が含まれるため高額になることが一般的です。
コウモリは暗くて温度が比較的安定しており、なおかつ天敵の襲撃を受けない場所を好むことから住宅の屋根裏はうってつけの営巣場所となるため、駆除では高所作業が多くなる傾向があります。
足場を組んでの作業が必要な場合の費用相場
前項の高所作業車が入れないような場所で、なおかつ外部から高所にアクセスしなくてはならない場合には足場を組んで作業するケースもあります。
そうした状況では40万円以上の費用がかかることもあり、高所作業代に加えて足場のリースや組み立て・撤去等の代金が加算されます。
平屋での費用相場
一方、家屋の形式を中心としたコウモリ駆除の費用相場としては、平屋では全体で10~20万円程度とされています。
平屋であることから高所作業車や足場は必要ないことが多く、脚立や梯子等の器材で対応できるパターンが一般的です。
また平屋の構造上、コウモリの侵入口となる箇所も特定しやすいと考えられ、総体的な作業負担が抑えられる傾向があります。
二階建て戸建での費用相場
二階建ての戸建住宅は高所作業が発生する可能性が高く、平屋に比べてコウモリの侵入口封鎖などの作業箇所が多くなることから、20~40万円程度が費用相場とされています。
住宅の立地によっては高所作業車等の機材を入れるスペースが確保できないこともあり、前述のように別途足場を組んで作業する必要が生じる場合も考えられます。
取り組みが大がかりになるほど作業員の数も増やさざるを得ず、状況次第では費用がかさむこともあるでしょう。
古民家・日本家屋での費用相場
コウモリ駆除でもっとも高額になるのが古民家や日本家屋での作業で、70~90万円程度が必要になることもあります。
瓦葺きの屋根や伝統的な軒を備えた建築はコウモリにとっても営巣に適しており、なおかつ古い日本家屋は隙間が多く侵入口が無数に存在しています。
そのためコウモリの追い出しや清掃・洗浄といった手順は他の建築と同様ですが、再侵入を防ぐための侵入口封鎖に多くのリソースが必要です。
またコウモリの侵入によって屋根や家の構造そのものが傷んでいる場合は専門業者に修繕してもらう必要があり、コウモリ駆除以外での費用が発生する可能性もあります。
コウモリ駆除の効率を上げるには? 実施に最適な季節と時間帯を解説
コウモリ駆除の費用相場例を作業環境別に見てきましたが、コウモリの生態から駆除に適した時期、そして時間帯が決まっています。
コウモリは冬期に冬眠して活動量が著しく下がること、夏期には出産・子育てをして自力で飛ぶことができない幼獣がいること、活動期間であっても昼間は眠っていて反応が鈍いことなどが主な理由です。
一年のうち駆除に適したシーズンは春から初夏(4月~6月頃)にかけて、そして秋(9月~10月頃)の二回が挙げられます。
コウモリの駆除に際してまずは住処から追い出すことが基本となることを先に述べましたが、上記の期間は冬眠明け~子育て前、発情期~冬眠前に相当し、特に活発にエサを求めて飛び回ります。したがって活動量が増え、追い出すための施策にも鋭敏に反応して営巣場所を空にしやすいメリットがあります。
さらにコウモリの活動は夕方以降から夜明け前頃の夜間で、この時間帯に食餌のため巣から飛び立ちます。そのため日没頃以降が、コウモリ駆除の第一段階である追い出しの作業に向いた時間帯です。
追い出しには薬剤などを用いますが日中の睡眠時や冬場の冬眠時には反応が鈍く、自力で飛べない幼獣がいる夏場はすべてのコウモリを放逐することが難しく、駆除には適していません。
また、コウモリは「鳥獣保護管理法」、正式名称は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」という法によって保護された野生動物である点にも注意が必要です。
この法律に違反すると1年以下の懲役、または100万円以下の罰金という重い刑罰を科せられることから、無許可でのコウモリの殺傷・捕獲は違法行為であることを認識しましょう。
許可を得た業者等が捕獲によって追い出すことも可能ではありますが、作業量が増加して費用に影響することが考えられます。
オフシーズンであれば通常よりも安価な費用で駆除ができるというわけではない点にも、十分注意を払いましょう。
まとめ:費用相場を把握しつつ、コウモリ駆除の専門業者に依頼するのがおすすめ!
コウモリ駆除を業者に頼んだ際の費用相場例を、作業の範囲や状況ごとに解説しました。
高所での作業となることも多く、特殊車両や足場など大がかりな機材が必要となるケースでは大きな出費を強いられます。
また住宅の造りによっても相場感が変動し、日本家屋や古民家では特にコウモリの再侵入を防止する処置の作業負担が大きく、費用も高額になる傾向があります。
そこでおすすめなのが、複数のコウモリ駆除専門業者に依頼することです。
いずれも高度な知識と技術を用いて駆除後の処置まで安全に実行してくれるプロフェッショナルですが、それぞれの方法や取り組み方によって総合的な費用には差が出る場合もあります。
このような専門業者見積もりを依頼し、作業内容と費用を考慮して自身にとって最適な業者を選ぶのがよいでしょう。