コウモリ駆除とは?
動物の中には「かわいい」というだけではなく、少し不気味だったり怖かったりするイメージのものもいますね。
そんな動物の一つに「コウモリ」が挙げられるのではないでしょうか。
ハロウィンのイラストではなぜか吸血鬼と共に描かれたり、人間にとって不吉な象徴の一つだったりする動物としておなじみです。
その一方、人間の生活空間にとても近い場所で生息するものや、時には住宅等の屋根裏に棲みつくものもいるため、駆除が必要になることも。
本記事ではそんなコウモリの駆除について、必要とされる理由や注意すべき点、代表的な方法を解説します。
コウモリ駆除が必要な理由とは?
まずはコウモリ駆除が必要である理由について見ていきましょう。
夕方になると高架下の周辺や街灯のあたりなど、群れをなして飛ぶ姿がしばしば目撃されるコウモリ。
人間の生活空間とかなり近い場所に生息しているだけではなく、住宅の屋根裏や瓦の隙間、普段見ることのないデッドスペースなどさまざまな場所に棲みついています。
そしてコウモリは、時として深刻な被害をもたらすこともあるのです。
そうした場合には駆除せざるを得ない事態となりますが、ではコウモリによって具体的にどのような害をこうむるのでしょうか。
以下に4つの代表例を挙げました。
糞尿による健康被害
コウモリの被害でまず挙げられるのは糞尿によるものです。
コウモリは普段人の目が行き届かない狭い場所や掃除のしにくい高い場所などに群れをなして棲みつくため、大量の排泄物が一か所に溜まることも珍しくありません。
そうした糞尿の異臭で気分がわるくなるケースがあるばかりか、ヒストプラスマ種というかびの一種を媒介して感染症の原因になることもあります。
したがって、コウモリの糞尿に気が付いたら決して周囲のほこりを吸わないよう注意し、駆除することが重要です。
糞尿による建物へのダメージ
コウモリの糞尿がもたらす害は建物に対しても及びます。
群生するコウモリの排泄物は時間の経過とともに大量に溜まり、住宅の木材を腐食させたり金属部材を錆びさせたりといった事態を招く場合があります。
コウモリは屋根裏や建物の隙間など、普段は人目につかない場所で営巣していることが多いため、住宅であれば異変に気付きにくくなるのが一般的です。
察知した時には既に構造材がダメージを受けているというパターンも多く、深刻な事態になりかねません。
騒音の被害
コウモリが群れをなすことは既に述べましたが、さらには夜行性という特徴も持っています。
夕方ごろから夜間にかけて活発になり、空を飛び回る姿を目にすることがあるでしょう。
こうした時間帯には羽音や鳴き声が重なり、騒音となって被害をもたらすケースがあります。
人間にとってリラックスする時間や就寝するタイミングにこのような騒音が重なるとストレスが溜まったり睡眠不足を招いたりしかねません。
コウモリが害獣とされるのはその特性による騒音にも由来しています。
ダニ・ノミを媒介
コウモリはダニやノミを媒介することがあり、ほぼ確実に「コウモリダニ」という種類が寄生しているとされています。
ダニやノミは吸血性の生き物で宿主の間を移動し、イヌやネコなどのペットはもちろん人間にも寄生します。
危険な病原菌のキャリアとなるケースもあり、コウモリの死骸が温床となって爆発的に増えることもあります。
人間が行き来できないような狭い場所にペットが入り込み、コウモリからダニやノミを移されてそれが生活空間に侵入することもあるでしょう。
このような危険性も、コウモリを害獣とする根拠の一つです。
害獣としてのコウモリの種類
一口にコウモリといっても多くの種類があり、世界には約960種が生息しているとされています。
大きくはフルーツや花粉を主食とし全体の2割を占める「オオコウモリ」と、昆虫を主食とする「ココウモリ」に分けられます。
そのうち日本には34種が生息し、オオコウモリに分類されるのはクビワオオコウモリとオガサワラオオコウモリの2種のみでいずれも絶滅が危惧される動物です。
残りはいわゆるココウモリの類ですが、人間の生活空間と密接に結びついて住居などに営巣するのはほぼ1種類に限られるとされています。
以下、そのコウモリの概要を見てみましょう。
アブラコウモリ(イエコモウリ)
日本で住宅などに棲みつくコウモリは「アブラコウモリ」という種類とされています。
厳密にいうと他にも家屋等に営巣するコウモリはいるものの数が少なく地域も限定的なため、生活空間の近くでコウモリを発見したらほぼアブラコウモリであるといえるでしょう。
家につくことから「イエコウモリ」の別名でも知られ、翼長は18~24㎝程度ですが体長は5㎝ほどと小柄なことが特徴です。
本州~九州・沖縄の広い範囲に分布し、幼体のうちは黒っぽい見た目ですが成長すると灰色みのある茶色い体色となります。
冬季には冬眠するため春から秋にかけてが活動の時期で、前述したように夜行性であり夜間にエサを求めて飛び回ります。
アブラコウモリの存在を見極めるのには糞の有無を確認する方法がありますが、クマネズミのものとよく似ているためしばしば間違われることがあります。
いずれも5~10㎜程度と大きさが似通っていますが、コウモリのものは黒や茶色、クマネズミは茶色や灰色である点が判別ポイントの一つです。
またコウモリのものはよじれた形のうえ乾燥気味で崩れやすく、屋根裏や軒下に堆積しているケースが多い反面、クマネズミのものは細長い形で湿っぽく、家屋の中に散らばって落ちていることが多いといいます。
コウモリ駆除で絶対に注意せねばならいこととは?
人間にとって害となるコウモリがもし自宅に棲みついているのが分かったとしたら、一刻も早く駆除したくなるのは当然の心理です。
そこで薬を散布したり罠を仕掛けたりして排除を試みたくなりますが、実はコウモリは鳥獣保護法で守られた生き物であるため無断で捕獲・殺傷すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科されます。
これはコウモリに限ったことではなく多くの野生動物に鳥獣保護法が適用されるため、たとえ害獣であっても許可なく個人が駆除することはネズミを例外としてほぼ法に抵触する行為です。
したがってもしコウモリを見つけた場合でも、自身で捕獲したり殺傷したりする行為は絶対にやめましょう。
コウモリ駆除・3つの段階
では法令を遵守しつつコウモリを駆除するには、どのような方法があるのでしょうか。
以下に鳥獣保護法に抵触しない駆除法について、3段階の対策を見ていきましょう。
営巣場所の特定
まずはコウモリが棲みついている場所を特定しましょう。
屋根裏や軒下、壁の隙間はもちろん、換気口・通気口やエアコンの室外機に関わる配管なども営巣のポイントとなります。
先に述べたようにこれらの場所の近辺にコウモリのものである特徴を備えた糞の体積があれば、高い確率で営巣しているといえるでしょう。
ただし病原菌を含んだ糞がホコリとなって舞い、万が一吸い込んだ場合は感染症にかかるおそれがあります。
不用意に近付かず、慎重に行動することが肝要です。
営巣場所からの追放
コウモリの営巣場所を特定できたら、次にそこから追い出すための方策を実施します。
鳥獣保護法で守られているため傷つけたり罠を仕掛けたりすることは不可能なため、コウモリが自然に出ていくような方法を選びましょう。
大きく分けて忌避剤を用いる方法と、科学的な器具を利用する方法とがあります。
忌避剤は文字通りコウモリが嫌がる薬品類で、スプレータイプ・ジェルタイプ・燻煙タイプなどが代表例です。
スプレータイプは散布が容易で狭い場所に向いており、ジェルタイプは効き目が長く同じく狭い場所への塗布に適しています。
燻煙タイプは広範囲に効果を及ぼすことができ、手の届かない高所や狭小な場所にも届きます。
一方、科学的な器具とは超音波の発生器を指すことが一般的です。
コウモリの嫌がる周波数の音を発生させることで近付かないようにし、結果としてそこから放逐することが可能となります。
再侵入の阻止
コウモリを営巣場所から追い出すことができたら、最後に再び戻ってこないように処置をしましょう。
住宅にコウモリが棲みつくということは小さな隙間などから内部に侵入したり、営巣できる空間があったりするということです。
したがって進入路となる開口部を塞いだり、ネットを張ったりするなどの処置が効果的でしょう。
また屋内でなくともエアコン室外機の配管周りや母屋と物置・離れなどとの間といった、コウモリが営倉できそうな空間にラインを張るなど近付かせないことも重要です。
家屋の隙間を充填剤で埋めたり、通気口や排気口などを金網でガードしたりするのも効果的です。
コウモリは超音波を発して空間を把握しているため、CDやアルミホイルといった反射材を周辺に設置することで音波を乱反射させ、住宅に近付けないようにする方法もあります。
まとめ:コウモリ駆除は専門業者への依頼がおすすめ!
コウモリの駆除とその必要性、注意点や具体的な方法などを概観してきました。
時に深刻な被害をもたらしかねないコウモリは発見次第少しでも早く追い払いたいものですが、駆除には感染症や病原菌といったリスクが伴います。
そこでおすすめなのが、コウモリ駆除の専門業者に依頼することです。
プロフェッショナルとしての高度な知識と技術を用いて駆除後の処置まで安全に実行し、専門家の見地から防除のための適切なアドバイスもしてくれるでしょう。
もしコウモリの害で悩むことがあれば、このような専門業者への相談も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
弊社ではそういった見積もりや調査を行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせ・ご依頼ください。