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駆除が必要なコウモリにとっての天敵とは? 生態系のなかでの位置付けも合わせて解説

はじめに:日本の都市部に棲息する「アブラコウモリ」は害獣の一種。駆除が必要な理由とは?

コウモリといえば自力で飛行できる唯一の哺乳類として有名ですが、世界には約1,200もの種類が存在しているといいます。

これは哺乳類の中でも非常に巨大なグループで、そのうち3分の1以上にあたる400種超はアジアに集中して棲息しており、日本では34~35種が確認されていますが未だその全貌は明らかではありません。

日本におけるコウモリは都市部や住宅地といった人間の生活圏でもしばしば見かけられますが、これはほぼ「アブラコウモリ」という種類です。

アブラコウモリはとても小柄な「ヒナコウモリ」という種類のグループに属するタイプで、体長約5㎝・翼長18~24㎝・体重約5~10gほどが一般的なサイズです。

成獣の体毛は灰色がかった茶色で、オス約3年・メス約5年が平均寿命であり夜行性であることと冬眠することも大きな生態的特徴といえます。

アブラコウモリの主食は蚊やユスリカなどの昆虫で、これら人間にとっての害虫を大量に捕食することから益獣の一種と考えられる面もありますが、現在では明確に害獣として位置付けられています。

それというのもコウモリはノミやダニといった危険な病原菌を媒介する生物のキャリアであったり、群れが出す大量の排泄物が異臭の原因や家屋などの構造物にダメージを与えたりするからです

このように人間の生活や健康を脅かすおそれのあるコウモリは、万が一住居やビルといった場所に営巣しているのを発見した場合には迅速な駆除が必要となります。

ですがコウモリは制度上、野生動物保護のための法律で守られていることから、無許可での捕獲や殺傷は犯罪にあたります。

したがって駆除のためにはコウモリに関する専門的な知識と、適切な対処を行うための装備と技術が必要です。

本記事ではそんなコウモリに関する知識のうち、どのような動物が天敵に相当するかについて見ていきましょう。

※以下、本記事ではアブラコウモリを単に「コウモリ」と表記します。

コウモリにとっての天敵

コウモリは夜行性であることを先に述べましたが、夜に行動できる動物は他にも多数存在します。

コウモリにとっての天敵にはそうした他の夜行性動物、そして昼間でも営巣場所を襲撃してくる可能性のある動物がいます。

そんな動物たちのうち、代表的な5例を以下に挙げました。

フクロウ

フクロウはフクロウ目フクロウ科に属する体長は50cmほどの鳥で、夜行性の猛禽類の代表格でもあります。

肉食であり、発達した聴覚と高い感度を持つ視力によって暗闇でも正確に狩りを行うことが可能です。

コウモリも光のない場所で自由に飛び回ることができますがこちらは超音波の反射で空間を認識しており、フクロウとはその仕組みが異なります。

またネズミなどを主食とするフクロウと、昆虫類を捕食するコウモリとではパワーもスピードも比較になりません。

したがってもしフクロウに襲われたら、コウモリにはなす術がないといえるでしょう。

チョウゲンボウ

チョウゲンボウとはハヤブサ目ハヤブサ科の鳥で、体長は32~35cmほどとなります。

ハヤブサ科ということから分かる通りに肉食の猛禽類ですが、ハヤブサほどの飛翔速度は有していません。

ただし紫外線すら識別できる高精度の視力と、急降下による狩猟の技術を持った優秀なハンターでもあります。

チョウゲンボウは夜行性ではありませんがコウモリも捕食することが知られており、日没直後のわずかなタイミングをそのハンティングにあてるとされています。

これもコウモリにとっては防ぐことが非常に難しい脅威の一つといえるでしょう。

チゴハヤブサ

チゴハヤブサもハヤブサ科の鳥で、オスで体長30㎝程度、メスは35㎝程度のサイズ感です。

この鳥もコウモリを捕食することが知られており、特徴としては飛翔しながら狩りをすることが挙げられます。

空中で獲物を捕らえるのはコウモリと同様ですが、飛翔力の点でコウモリはチゴハヤブサに及ばず、これも圧倒的な差があるといわざるを得ません。

そもそもコウモリには猛禽類に対する反撃能力は皆無といってよく、まさしく天敵といえる存在です。

ヘビ

ヘビもコウモリにとっては天敵の一種です。

コウモリは昼間には屋根裏などに逆さまにぶら下がり眠って過ごしますが、そうした場所にもアオダイショウといった大型のヘビが侵入することがあります。

コウモリがぶら下がれる構造材にも巻き付いて移動する場合があるため、眠っている間に襲撃されては逃げることもままなりません。

また夏場に生まれたばかりのコウモリの幼獣がいるタイミングも危険です。ヘビは一度に大量のコウモリを捕食できるわけではありませんが、群れにとっての大きな脅威であることに変わりはありません。

イタチ

小型の肉食獣であるイタチも、コウモリにとっては天敵となります。

長い尾を含めたイタチの体長はオスで27~37㎝ほど、メスで16~25㎝ほどです。
自身より大きなニワトリやウサギも襲う獰猛な性質で、細くしなやかな身体を持っていることから狭い場所への侵入も容易です。

このことからコウモリがよく営巣する屋根裏のような場所にも到達することができ、重大な脅威となり得ます。

イタチは例えばニワトリのように大きな獲物に出会ったとき、肉を食べきれないため血だけを吸うことがあり、小屋に侵入して群れを全滅させることもあります。

イタチは人家に近いところにも出没することがあるため、コウモリにとってはこのように獰猛な肉食獣と遭遇する危険も常に付きまとっているといえるでしょう。

大量の昆虫を捕食するコウモリだが、捕食される側でもある

コウモリは一匹につき一晩で500匹にも及ぶ大量の昆虫を捕食するといわれています。

しかしこれまで見てきたように夜間の生態系の頂点ではなく、さらに強力な捕食者の脅威と隣り合わせでもあるのです。

コウモリにはそうした天敵との戦闘や反撃に耐えうる力はなく、襲われた場合は抵抗することも難しいといえるでしょう。

昆虫類に対しては優位な捕食者であるコウモリですが、生態系の中ではさまざまな危険性にさらされている存在であります。

コウモリ最大の天敵は人間? 駆除を行うのに最適なシーズンと時間帯

コウモリにとって天敵となる動物の例を見てきましたが、その最たるものは実は我々人間であるといえるかもしれません。

それというのも冒頭で述べたようにコウモリは人間にとって害獣であり、発見次第速やかに駆除する必要があるためです。

ですがコウモリは「鳥獣保護管理法」で守られた動物であるため、許可を得ることなく殺傷・捕獲すると罰金または懲役という重い罰を科せられます。

そこで、コウモリは住処から追い出して再び戻ってこないよう処置することが駆除の基本となります。

そうした駆除を効果的に行うには適切な時期と時間帯があり、シーズンとしては一年のうち二回、時間帯としては日没頃以降が相当します。

駆除に適した時期が一年に二回あるというのはコウモリ特有の生態に関わっており、冬眠と子育てのタイミングが主な理由です。

最初の適期は4月~6月の春から初夏にかけてで、冬眠から目覚めて活発に行動しだす頃です。

次は9月~10月の秋にかけてで、夏に生まれたコウモリの子どもが自力で飛び回れるようになり、成獣が発情期を迎えて冬眠のために栄養を蓄えるべく捕食行動が活発になる時期です。

逆に上記以外の時期では冬眠中でコウモリの反応が鈍かったり、自力で飛べない幼獣がいて群れのすべてを住処から追い出せなかったりします。

また、時間帯としては日没頃以降が適しているのも、夜行性というコウモリの性質が大きく関わっています。
日中は眠って過ごすコウモリは、忌避剤や光などの刺激に対しても鋭敏ではなく、このタイミングでは効果的に巣から追い出すことは困難です。

食餌のために起き出して活動を開始する時間帯がもっとも適しており、このようなコウモリの生態をうまく利用した駆除の施策が必要となります。

まとめ:コウモリの駆除は天敵をぶつけるよりも、専門業者に依頼することがおすすめ!

コウモリにとって天敵となる動物の例と、駆除に適した時期・時間帯について解説しました。

他の動物では天敵の存在を利用した駆除法も皆無ではありませんが、コウモリについてはその効果を完全にコントロールすることは難しいと考えられるため、やはり人間の生活圏においては人間の手による適切な駆除が必要です。

ノミ・ダニといった寄生生物や病原菌のキャリアとなるコウモリは発見次第できるだけ迅速な駆除が望まれますが、適切な時期と時間帯、そして法的知識を伴う専門的な技術を伴った作業が求められます。

そこでおすすめなのが、コウモリ駆除の専門業者に依頼することです。

プロフェッショナルとしての高度な知識と技術を用いて駆除後の処置まで安全に実行し、専門家の見地から防除のための適切なアドバイスも得られます。

もしコウモリの害で悩むことがあれば、このような専門業者への相談も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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